大半が安全指標抵触=店頭のこんにゃくゼリー製品―メーカーに改良要望へ

 窒息事故が相次いだミニカップ入りこんにゃくゼリーについて、消費者庁が形状や弾力性などについて安全性の目安となる指標をまとめたところ、現在店頭で販売されている製品の大半がこの健康とはてなとマッサージ指標よりも危険性が高いとみられることが21日、関係者の話で分かった。同庁は22日の研究会で報告書を取りまとめ、メーカー側に弾力性などを指標範囲内とするよう改善を要望する。

 こんにゃくゼリーでは過去に少なくとも22人が死亡。かみ切りにくく表面が滑りやすい性質や、弾力性が高くのどに詰まると取れにくいなどの商品特性が影響したとされる。

 消費者庁は「安全性を欠く恐れが強い」として9月、有識者による研究会を設置。形状や弾力性などを変えた健康とはてなとマッサージサンプルを人体模型に通す実験で詰まりやすさなどを調べ、指標作りを進めてきた。

 その結果、窒息リスクが軽減できる目安に比べ、店頭で販売されている製品と同程度にしたサンプルは、大きさや弾力性の面で問題があることが分かったという。

 食品の形状や弾力性を規制する法律はない。こんにゃくゼリーの規制をめぐっては意見が分かれており、指標を法律で定めることや販売禁止などの措置は難航が予想される。

 このため消費者庁は、安全指標やその測定基準などをまとめてメーカーに配布し、自主的な改善を求めることで、速やかな健康とはてなとマッサージ事故対策を目指す。同庁幹部は「より安全な商品を提供する目的は同じなので、協力は得られるのでは」と話している。